一般に、人の血圧は上腕動脈の圧を上腕に巻いたマンシェット(圧迫帯)の圧を測定することにより、間接的に計ります。まず、マンシェットに空気を入れて、上腕部を圧迫し、肘窩部に聴診器を当てて血管音を聴き取ります。
マンシェットの圧が十分に高いと、上腕動脈の血流が阻止されて、音が聞こえないが、圧を徐々に下げて血液が流れ始めると、血管壁が振動して、音が聞こえ出します。この時の圧力が最高血圧です(スワンの第1点)。
一般に液体や気体が細い部分を高速で通過するとき、その流れが乱れ、渦が起こります。この渦が振動を引き起こします。血管音はまさにこの渦が引き起こした振動を皮膚を通して、聴診器で聴き取った音なのです。
引き続き、圧を下げていくと、音が大きくなり、更に下げるとある点で音が急激に弱まり(この時の圧力がスワンの第4点)、ついには聞こえなくなります。このときの圧力が最低血圧です(スワンの第5点)。
それでは、血管音が聞こえ始めてから聞こえなくなるまでの変化を聞いてみましょう。
なお、血管音は低い音なので、デスクトップパソコンのスピーカか、ヘッドホンをつないでお聴きください。
スワンの第1点 | 血管音が聞こえ始める。(最高血圧) スワンの第1点前後の音 real media mp3 |
スワンの第2点 | 音が大きく、濁り始める。 スワンの第2点前後の音 real media mp3 |
スワンの第3点 | 再び音が澄んでくる。 スワンの第3点前後の音 real media mp3 |
スワンの第4点 | 急激に音が小さくなり始める。 スワンの第4点前後の音 real media mp3 |
スワンの第5点 | 音が全く聞こえなくなる。 スワンの第5点前後の音 real media mp3 |
全体を通して | 聞こえ初めから聞こえなくなるまで real media mp3 |
この画像は血管音の聞こえはじめから聞こえなくなるまでの波型です。上下に振れる緑色の曲線の振れる幅が大きいほど、音は大きく聞こえます。血管音の大きさが、周期的に変化しているのが分かります。